◆(金庭宜雄君) お許しをいただきましたので、午前の最後でございますが、元気いっぱい質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
初めに、名古屋のヒートアイランド対策についてお尋ねいたします。
名古屋のことしの夏は、平年より13日も早い7月8日に梅雨明けし、連日晴天続きでありました。名古屋地方気象台の発表データによりますと、梅雨の期間降水量は、平年の268.4ミリに比べ85.4ミリ少ない183ミリと極めて少雨であり、一時、本市の重要な水がめである岩屋ダムの貯水率が低下したことにより、放流量が削減されるほどの渇水時期があったことは記憶に新しいところです。
これにあわせ、ことしの名古屋の1日の最高気温は、30度を超えた真夏日が7月で26日、さらに35度以上の猛暑日となったのが9日を記録しました。同じく、8月では真夏日が29日とほぼ毎日であり、35度以上の猛暑日が17日を数えました。昨年も暑い夏ではありましたが、同じ8月と比較しても猛暑日はわずか5日であったことから見ても、いかにことしの名古屋が異常高温に見舞われていたかがわかります。
おまけに猛暑日が10日連続となったこともあり、熱中症による救急搬送件数は、昨年の600件に対し1,118件とおよそ倍の件数が発生しており、名古屋の夏は市民生活に深刻な影響を与えていると言えます。
名古屋の夏は暑いというのは全国的にも有名ではありますが、多くの人が働くビジネス街であり、あわせて、観光、ショッピングにと多くの流入客を見込んでいる中心市街地は、夏はヒートアイランドとなっています。
今さら申し上げることもありませんが、ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺部の気温に比べて異常な高温を示す現象を指し、その地域があたかも島のような形になるため、ヒートアイランドという表現になります。
猛暑日では、仕事の効率は悪くなり、生産性が低下し、疲労の蓄積による事故の誘因ともなります。暑い中、わざわざ名古屋の都心を訪れていただける観光客や買い物客の皆様は、本当にありがたいお客様と言えます。
しかし、連日猛暑が続くことで日中の外出を控えるなど、市民の行動にも変化が出ており、名古屋経済に少なからずの悪影響を与えていると言わざるを得ません。
現在の名古屋のヒートアイランド現象は、環境においても、健康においても、経済においても、あらゆる場面で深刻かつ危機的な影響を与えていると言っても過言ではありません。
地球の気候変動による異常気象とも言われておりますが、自然現象には簡単にあらがうことは困難とは思いますが、これからどんなにおもしろい名古屋になったとしても、今のままでは夏の名古屋は危険なまちとして敬遠されてしまうのではないでしょうか。
年々深刻さを増している名古屋の夏の猛暑に対する本市のこれまでの認識とヒートアイランド対策について、環境局長の御所見をお伺いいたします。
また、ヒートアイランド現象の緩和に効果があるとされる緑化推進策でありますが、中心市街地におけるこれまでの緑化推進の取り組みと今後の対策について、緑政土木局長にお尋ねいたします。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催について質問いたします。
日本時間の9月8日の早朝、2020年のオリンピック・パラリンピック開催地に東京が決定し、日本中が歓喜に沸き返りました。日本では、札幌、長野の冬季オリンピックを除く夏季オリンピックでは、1964年の東京オリンピック以来、実に56年ぶりの開催となります。オリンピック・パラリンピック開催国としての日本は、今後ますます注目を集めることになり、7年後に思いをはせ、私自身も今から心躍る気持ちであります。
開催地は東京ではありますが、国を挙げての大イベントであり、まさしくチーム日本として取り組んでいくことが大切であり、どこよりも早く名古屋がその意思表示を明確にすることが重要であるという観点でお尋ねいたします。
東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、まだ1週間とたってはいませんが、チーム日本の一員として、今後本市はどのようなかかわり方をしようとお考えなのか、また、どのような体制づくりを目指すお考えなのかを総務局長にお尋ねし、私の第1回目の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
◎環境局長(西川敏君) 暑い名古屋に対する認識と本市の対策につきましてお尋ねをいただきました。
都市部におきましては、地球温暖化に加えましてヒートアイランド現象が発生し、さらに気温が上昇している状況にございます。本市におきましても、これらの現象が顕在化しているものと認識しております。
ヒートアイランド現象につきましては、その主な要因として三つあると言われております。
まず、アスファルト舗装や建築物などの面積が拡大し、日射を受けた表面の温度が高温になるとともに、そこで蓄えられた熱が夜間の気温低下を妨げること。
次に、建物の高層化、密集化により風通しが阻害され、熱の拡散などを低下させること。
3点目は、建物や工場、自動車などからの人工排熱の増加によるものと言われております。
対策といたしましては、人工排熱の低減にもつながる省エネルギーを推進してまいるとともに、ヒートアイランドを緩和させる身近な方策として打ち水などの啓発も行っております。
今後とも、平成23年12月にまとめました第3次名古屋市環境基本計画に基づきまして、人工排熱の低減などのヒートアイランド対策につきまして、各局と連携いたしまして着実に進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◎緑政土木局長(山本秀隆君) 緑政土木局に対しまして、中心市街地におけるこれまでの緑化推進の取り組みと今後の対策についてお尋ねをいただきました。
都市の緑には、環境の改善、防災性の向上、美しい景観の形成、レクリエーションの場の提供、潤いや安らぎの創出など、多面的な機能がございます。
本市のこれまでの取り組みといたしましては、公園緑地や街路樹の整備を計画的に推進し、緑のネットワークの形成を図ることで、緑が持つ機能を生かしたまちづくりを進めてまいりました。
その中で、中心市街地におきましては、本市の特徴である広い道路空間などを有効に活用いたしまして、街路樹や公園の整備を進めてまいりました。また、市域面積の約3分の2を占める民有地での緑化におきましても、平成20年10月から全国に先駆けて緑化地域制度を導入いたしまして、市民の皆様や事業者の皆様の御協力をいただきながら、緑と調和したまちづくりを推進しているところでございます。
今後の緑化推進対策でございますが、ヒートアイランド対策を含む都市の環境改善を図っていくためには、本市の緑に関する将来計画を定めております、なごや緑の基本計画2020に基づく緑化施策を総合的に実施していくことが効果的であると考えております。
その中でも、議員御指摘の中心市街地の緑化におきましては、市民の皆様が木陰を気持ちよく散策したり休憩したりできるよう、公園樹や街路樹の緑陰形成に努めてまいります。さらに、民有地におきましても、緑化地域制度によりまして、限られた空間を有効に活用しました建築物の屋上緑化や壁面緑化、外構の緑化を一層推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◎総務局長(葛迫憲治君) 2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催に関し、本市のかかわり方、あるいは体制ということについてお尋ねを頂戴いたしました。
2020年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致できたことにつきましては、日本経済全体の底上げにつながるものであり、大変喜ばしいことと認識しております。
世界中から多くの方々が日本を訪れることによるインバウンド効果や、競技会場など各種施設が建設されることの建設業への効果など、日本における経済効果は大変大きなものが期待できると思われます。
東京都によると、2013年から2020年までの経済波及効果として約3兆円と試算しております。また、観光産業の成長や広範なインフラ整備までを含めると、150兆円規模に達するとの民間予測も出ておるところでございます。まさに国を挙げての大イベントでありますが、一方で、今後ますます東京一極集中が加速していくおそれもあることも事実ではあります。
本市としましても、世界中から日本が注目されるこの機会を、観光産業といった名古屋の魅力を世界に発信するビッグチャンスとして捉え、具体的な検討はこれからとはなりますが、それぞれの局においても、このチャンスに何ができるか、しっかり検討していくべきものと認識しておるところでございます。
さらには、このオリンピックのインパクトを本市のみでなくこの地域全体で受けとめ、最大限効果を生むためにも、この圏域の自治体、さらには経済界と一丸となって連携し、取り組んでいくことが必要であると認識しておるところでございます。
以上でございます。
◆(金庭宜雄君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
再質問はいたしませんが、私のほうからは、今の御答弁をいただきましての指摘、また、要望、提案とさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
東京オリンピック・パラリンピックについて、ただいま総務局長さんのほうから御答弁をいただきました。
イベントのときには大きな力を発揮される総務局長さんですので、その力を存分に発揮していただいて、さらなる大きな名古屋の飛躍というものを目指していただくことをよろしくお願いしたいと思います。
具体的な対応につきましては、まだまだこれからの検討となるとは思いますけれども、あらゆる角度から名古屋の可能性を広げておいていただきたいというふうに思います。
東京一極集中をどうしたら防ぐことができるかなんていう、そういった小さな視点ではなくて、名古屋も、先ほど申し上げましたように、チーム日本のパートナーであるとの自覚のもとに、現在から未来にかけての大いなる夢の実現のチャンスとして、ぜひとも大きな展開をお願いしたいと思います。
7年後の開催を目指す地元名古屋のアスリートの育成などなど、サポート体制も重要でありますので、今後の国などの動向をしっかりと見きわめていただきながら、名古屋力の発信をお願いいたします。
手放しで喜んでいるばかりではありませんで、今後のオリンピックに係るインフラ整備などで、名古屋においても技術者不足の懸念が実は指摘をされているところなんです。この問題は今日的な課題であって、東京を初めとする関東以北の工事に技術者がとられているためというふうに言われております。
そのため、例えば、今後、名古屋市が発注する一般競争入札での公共工事の応札が人手不足等によって不調になりはしないかということも心配されるところなんです。財政局長さん初め、公共工事の契約を担当される各局長さんにおかれましては、こういった点も視野に入れながら、今後も公正に適正価格の一般競争入札が図られ、名古屋の公共事業に支障を来さないよう十分に留意いただきますよう要望しておきます。
それから、名古屋のヒートアイランド対策につきましてです。
都心部のヒートアイランド現象というのは、先ほども指摘させていただきましたように、今や深刻な問題として捉えなければなりません。
名古屋のまちは道路が広いのが特徴として言われまして、大いにその役割を果たしていると認識しております。しかし、今は、アスファルトやコンクリートの面積が広いがゆえに、昼間の熱が蓄えられる量が多くなって、ヒートアイランド現象の要因にもなっているという指摘もあります。
都心部の高温化を抑えるという効果を期待する上で、例えば今後、人口減少が予想されていることもあって、広い道路の車線の数を減らして、アスファルトやコンクリートの面積を減少させ、歩道の幅を広げて、街路樹や植え込みなどの植物をさらに豊かなものとして育てていくことも、高密度都市の温度が上昇するヒートアイランド現象を防止することにつながると考えます。
これまで名古屋は、私の子供のころも、まちに緑をというグリーンキャンペーンという、どこかのテレビ局がやっていましたけれども、そういうことで緑をふやそうということをずっとやってこられました。
西尾市長さん、松原市長さん、そして、今の河村市長さんと、30年間の緑化推進のプランなんかもずっと計画して進めてこられましたけれども、それでも緑というのは減少傾向にあるといったことが大きな課題となっているというふうに思います。
名古屋の中心市街地にあります名城公園から名古屋城、それから、市役所周辺の官庁街から久屋大通公園にかけての緑というのは、これまで長年にわたって育んできた名古屋の財産であります。
この緑地をさらに積極的に緑化推進をしていって、ヒートアイランドの抑止力として、今後も市民に親しまれる場所として一体的に整備していくべきではないかという考えがあります。
この一帯には、昭和47年に市民の人気投票によって市の木、名古屋市の木ですね、市の木として選ばれたクスノキが多く植栽されています。クスノキは常緑樹で、夏は大きな木陰で市民をほっとさせてくれますが、反面、冬はその木陰が寒さをつくって、寒い名古屋を文字どおり演出してしまいます。
夏は木陰をつくり、冬は木の葉を落とし、太陽の光を提供してくれる落葉樹には、都会の季節の移ろいを感じさせてくれる心の癒やし効果も期待できます。この落葉樹の効果的な植栽配置も今後必要ではないかというふうに思います。
都市の緑の機能には、環境維持改善機能、防災機能、都市景観機能、健康レクリエーション空間機能、精神的充足機能があるとされています。名城公園から久屋大通公園までを一体的に緑化推進していくことは、これらの緑の機能を充実させることにもなります。
私、この質問を作成するに当たりまして、何度もここを徒歩で調査させていただきました。官庁街の大津通沿いと裏道では植栽の密度が違うために、夏の炎天下に大津通を歩く人はまず余りいません。まばらでございます。これは木陰がないからなんです。
また、久屋大通公園には、名古屋市の姉妹友好都市から贈られましたそれぞれの都市の記念のオブジェが飾られております。中でも、ロサンゼルス市から寄贈されました1億8000万年前の巨石には目を引かれるものがあります。このほかに、市長さんも御存じだと思いますけれども、マリリン・モンローやジュリー・アンドリュース、チャールトン・ヘストンなどのハリウッドスターの手形、足形、サインの入ったプレートは、姉妹都市友好提携25周年を記念して、チャイナタウンにあるそのもののレプリカが友情のあかしとして贈られて、ロサンゼルス広場に飾られています。
しかし、残念ながら、夏の炎天下にさらされるように木陰もない場所にあって、市民の足を遠ざけていると私は感じました。名古屋市民のどれだけの方がこういったすばらしい贈り物の存在を知っているのだろうかと不安な気持ちになりました。
間もなく名古屋まつりの時期にロサンゼルス市からもお客様をお迎えしますが、このままの扱いでよいのかと大変申しわけない気持ちになりました。
緑地は、夏は木陰を求めて憩い、冬は暖かさを得ながらの自然の恩恵を身近に感じることができる場所でなければなりません。この点から、名城公園から久屋大通公園までが、市民がより親しめる緑地としての充実と、連続性のある一体的な緑化推進を強く要望しておきます。
昭和53年3月に緑化都市宣言をこの名古屋市会で決議しております。この宣言にも即したことでもありますので、しっかりとお願いをしておきたいと思います。
しかし、財源もない中、どうしたら緑化推進が確保できるのか。私は、ここで提案でございますが、民間企業と緑のパートナーシップによって、ヒートアイランド対策としての緑化推進事業を展開することを提案させていただきたいと思います。
出資していただいた企業の看板を大きく設置して、例えば、◯◯自動車緑の小道とか、◯◯電気安らぎ緑道とかの名前をつけて、名古屋の緑化推進に貢献する企業イメージをPRしていただくということもよいかというふうに思います。
そこで、市長さんに要望をさせていただきます。皆さんもよく御存じのとおり、市長さんは誰にも負けない秀でた能力があります。それは、初対面の人にも臆せず寄附をお願いすることができるという特殊な能力です。
名古屋のトップ企業を初め、法人市民税減税でたっぷりお返ししているのですから、名古屋のために協力してくれるはずです。この類いまれなる能力を存分に発揮していただき、名古屋市民のために、企業に協働のパートナーとなっていただくべく、積極的な働きかけをお願いしたいと思います。市長さん、何とぞよろしくお願いいたします。
以上で、質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)