平成21年11月定例会(11月27日)

市民税減税条例について

本市における景気・雇用対策について

二元代表制における首長と議会の関係について

がん治療に対する本市の取り組みについて


◆(こんばのぶお君) お許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をいたします。
 初めに、市民税減税条例について、市長並びに住田副市長にお伺いします。
 今回提案された減税案は、簡単に言えば定率減税であります。定率減税とは、所得の多少にかかわらず、すべて一律に減税するものであります。かつては、市民税を含む所得課税については、所得に応じ税率に差を設けるといった累進課税という税体系がとられていました。これが小泉政権下における三位一体の改革により、所得に応じてという機能は国税である所得税で担保することとされ、地方税である住民税の税率は、市県民税合わせて一律10%とされました。つまり、住民税については、広く一律に課税することにより、いわば地域社会における会費のような性格を持つものとして位置づけがなされたということになります。もちろん、税率が一律とはいえ、所得の多い方はその分多くの税を納めることになります。したがって、定率減税を実施すれば所得の多い方、つまり、税を多く納められた方の減税額が大きくなるのは当然であり、そういった観点を割り切って考えれば、今回提案された定率減税は一定の理解ができます。  しかしながら、市長のマニフェストには、減税の目的として、現下の経済状況に対応し、市民の生活を支援するとともに、消費を刺激すると書かれており、さらに、定率減税を行った場合には、金持ちはゼロとも明記されています。また、減税による減収分は徹底した行財政改革で対処するとも言われております。
 そこで、まず、今回提案された減税案がこうした目的に合致しているかどうか、つまり、生活の支援策として本当に有効であるかどうかについて検証しながら質問いたします。
 極めて厳しい経済状況の中、毎日の生活に困っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。働きたくても働き口のない方は、税金を納めたくても収入がないわけであります。生活保護を必要とする方々も大幅に増加する見込みです。真に生活支援を必要とされる方は、こういった税金を納めたくても収入の少ない方、つまり、市民税が非課税の方々であります。減税の効果が及ばない市民税が非課税の方は、本市に約40万人いると言われています。この方々は減税とは無縁ということになります。市長がおっしゃる減税の目的が生活支援であるならば、こうした方々に対してどのような支援を考えておられるのか、市長にお尋ねいたします。
 これだけではありません。市長は、市民1人当たり1万5000円を減税でお返ししますと繰り返し発言されています。ところが、実際は、納税義務者の半分以上の60万人、率にして約54%の方は減税額が1万円以下という試算が示されています。減税額が1万円以下となるのは、夫婦と子供2人の世帯では年収が約500万円以下の世帯です。ところで、この減税額が1万円以下の方々60万人の減税額を合計すると約26億円となります。これは、個人市民税の減税総額157億円のわずかに16%にすぎません。裏を返せば、減税額の大半は年収500万円を超える方々に行くということになるわけです。
 法人市民税についても同じことが言えます。市内の法人数は約9万社ですが、そのうちの約半分の4万4000社は減税額が5,000円以下となります。そして、この減税額の合計は1億6000万円ほどであり、法人市民税の減税総額62億円のわずか2.5%にすぎません。一方、減税額が100万円を超えるような企業は全体の1.2%、約1,100社だけですが、この減税額の合計はおよそ40億円となり、法人市民税の減税総額の65%を占めているのです。つまり、減税効果の大半は、やはり大企業に行くことになるわけです。果たして、これで市民生活の支援というマニフェストの目的に合致していると言えるのでしょうか。大変に疑問に思うわけですが、この点について市長の見解をお伺いいたします。
 ところで、高所得者の方はどうなるのかと試算してみました。平成20年度の最高納税額は2億1500万円でした。10%減税がなされると単純計算で実に2150万円の減税となります。定率減税ですので当然の結果ではありますが、市長がマニフェストで示した金持ちゼロという市民との約束は一体どこに行ってしまったのか、あわせて市長にお伺いいたします。  次に、減税による減収分を徹底した行財政改革で対処するということについてであります。市長は、徹底した行財政改革で無駄遣いを根絶するが、必要な市民サービスは守ると、これも繰り返し発言されています。しかし、先般公表された平成22年度予算編成における財源配分案を見ると、約148億円の削減を行うというものでした。この中には福祉や教育の分野も含まれており、関係局である健康福祉局、子ども青少年局、教育委員会の財源配分における削減額は、合計で73億円と全体の半分近くを占めております。
 このほかにも身近な予算の例として、生活道路の維持補修費があります。現在、土木事務所などに寄せられる道路などに関する苦情件数は年間7万件に上ります。これまでは道路などの維持管理費については削減対象外でしたので、ある程度の対応ができていましたが、今回はこれも10%の削減となっています。つまり、粗い計算ですが、7万件の1割の7,000件は対応できなくなり、10年たてば今の1年分の積み残しが発生する計算になります。果たして、これで必要な市民サービスを守ると言えるのでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
 最後に、市債の発行についてです。本市の平成22年度の収支見通しでは、減税財源と歳入不足の260億円を合わせると421億円もの収支不足となっています。この421億円の収支不足に対して、行財政改革による取り組みで191億円、人事委員会勧告による職員の給与削減で70億円、未利用土地の売り払いなどで30億円、そして市債130億円を増発することによって対応するという説明であります。
 この市債には、臨時財政対策債80億円の増発も含まれています。この臨時財政対策債とは、簡単に言えば、国が地方交付税を交付するための財源が不足しているため、その肩がわりとしてそれぞれの自治体に借金をさせるという性格のものです。本来ならば、市債はいわゆる公共事業のような特定の目的のためにしか充てられないものですが、この臨時財政対策債は地方交付税のかわりですので、使い道が限定されない市債ということになります。この市債の元利償還金は、後で地方交付税としてそれぞれの自治体に返ってくるという仕組みですが、現在名古屋市は、地方交付税が交付されない不交付団体になっています。したがって、臨時財政対策債の返済のための財源は、結局市民の税金で賄うことになってしまいます。
 ところで、減税はそれぞれの自治体の判断で実施できますが、その減収分を市債で穴埋めすることは許されていません。市債の制度上でもこれはできないことになっています。しかし、この臨時財政対策債は一般財源になりますので、何に使ってもいいことになっています。お金に色はついていませんから、こうした赤字市債を増発することは、結局間接的に減税の穴埋めとして市債を充てていると言われても仕方がないと思います。
 先ほど検証しましたように、減税の恩恵を享受する市民の数は限られています。しかし、市債は全市民が負担をしなければなりません。また、減税の見返りとしてはかり知れない市民サービスのカットが懸念されます。さらには、恒久減税をうたいながら、恒久的な安定財源を確保する具体的な方策や展望が示されていません。こうした点について、住田副市長はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
 次に、私は、こうした懸念や心配を払拭した上で、市長のマニフェストにも合致した生活支援策及び経済の活性化策を提言し、市長の見解を求めたいと思います。
 まず、減税の基本方針として、市長のマニフェストどおり、お金持ち優遇や大企業優遇はやめる。福祉はカットしない。定額給付金方式及び定額減税方式を採用する。その場合に必要な財政規模は、名古屋市民1人当たり1万円として225億円とする。つまり、4人家族であれば4万円ということになります。期間は、現下の経済状況をかんがみて2年限定とし、3年目以降は2年間の減税成果の検証を十分行い、そのときの経済状況を見ながら検討する。赤字市債80億円の増発はやめる。
 財源は、私ども議員を含めて、全名古屋市の公務員の人件費のカットと、市民サービスを低下させないという前提での民間委託や嘱託化などの手法など、退職者不補充により踏み込んだ定員管理により捻出するというものであります。市長のおっしゃる金持ち減税はしない、生活支援や消費の喚起、福祉や市民サービスを低下させないといった目的に合致していると思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、本市における景気・雇用対策について質問いたします。
 私は、これまでに市内を歩いては市民がどういう状況下にあり、どんなことを望んでいるのかを聞き取り調査してきました。市民からは、高齢者介護の問題などの福祉施策の充実を求める声、安心・安全を求める声のほか、景気低迷のこのときにこそ公共事業も含めたすそ野の広い経済波及効果のある経済刺激策を打ち出してほしいとの声が圧倒的に多いのが現状です。
 そこで、本市における景気・雇用対策について、市民経済局長にお尋ねします。本年2月の定例会において、我が党の代表質問に対し、総合的な緊急経済対策本部を設置していくことにより、実効性ある対策を検討する旨の答弁がありましたが、これまでの取り組み状況と今後の具体的な景気・雇用対策についてお答えください。
 次に、二元代表制における首長と議会の関係について質問いたします。
 市長は、たびたび議会は民意の縮図になっていないといった趣旨の発言をされます。こうした発言は、裏を返せば、51万票を集めたという民意があるのだから、市長の政策をすんなりと認めない議会は民意を反映していないという論理だとしたら言い過ぎでしょうか。確かに、さきの市長選において直接市民から選ばれた多数意見の代表は市長であり、その市長の政策提言は尊重されるべきであることは当然であります。しかし、二元代表制のもと、議会もまた市民から直接選ばれた議員の集まりであり、いわば多様な少数意見の代表であります。よって、議会の意見も市民の声として尊重されるべきであります。
 ちなみに、平成19年の名古屋市議会議員選挙で当選した議員の得票総数は60万5000票でありました。先日行われた新聞による減税アンケートでは、6割の人が減税に条件つきで賛成でした。この条件とは、福祉をカットしない、市民サービスを低下させないということであります。まさに議会はそこを心配して議論をしてきたわけであり、今まで継続審議になっていた最大の理由は、そうした民意を反映するためのものであります。首長が政策提言をし、議会がそれに対して審議し議論するということであり、これまでの活発な議論は、まさに憲法第93条で定められた二元代表制が正常に機能しているということであります。
 さて、最近では、地方への財源と権限移譲が論議され、国から地方へと地方分権の流れが加速する中で、地方自治の質の向上がますます求められてきます。同時に、これまで以上に議会のチェック・アンド・バランスが問われることとなります。
 これらを踏まえた上で総務局長にお尋ねいたします。まず、本市は、法定議席数の88名に対し15%減員の75名でありますが、本市人口225万人に対し現行の議員定数75名は多いのか少ないのか。例えば、議員定数を半分の38名とした場合、想定される問題点や課題は何か。二元代表制における健全かつ公正な議会のチェック・アンド・バランス機能を担保するという観点でお尋ねいたします。
 次に、がん治療に対する本市の取り組みについてお尋ねします。
 日本では、年間約100万人が死亡していますが、そのうちの32万人、3人に1人ががんで亡くなっています。65歳以上では、2人に1人ががんで亡くなっている状況であります。これを受け、日本では、2006年にがん対策基本法が制定されたところであります。日本では、ようやくがん対策の緒についたばかりであり、アメリカでは、1971年に同法が制定されたのに比べて、日本は、がん対策の後進国とも言えるとの指摘もあります。
 一昨年、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル誌で以下の記事が掲載され、話題となりました。欧米では、がんによる死亡が減少しているのに対し、増加している日本の現状との比較記事でありました。指摘では、がん治療に対する医師のトレーニング不足、手術に偏った治療、告知とセカンドオピニオンの不十分な点、医師任せで選択肢の乏しい治療方法などの点が挙げられています。
 日本では、現在2人に1人ががんに罹患すると言われていることからも、治療に向けた多くの選択肢の提供は、患者さんの安心を担保するという観点から大変に重要であると考えます。がんの治療には、手術、放射線治療、化学療法の3種類に大別されますが、とりわけ放射線治療は手術と同じ有効性があり、副作用も少ないとされ、アメリカではがん治療の66%、ドイツでも60%の採用と、半数以上が放射線治療を選択するというのが世界の主流となっています。一方、日本のそれは25%にとどまっています。これまでの手術による外科的治療が有効な胃がんが減少し、がんの種類も欧米化していることに伴って、放射線治療の対応が重要であるとの専門医の指摘があります。
 本市においても、この対策に取り組むことが望まれます。外部放射線治療である陽子線がん治療の有用性については、これまでも本会議や常任委員会でも確認されているところであり、本市では、クオリティライフ21城北の陽子線がん治療施設建設の是非を問う公開討論が10月24日に河村市長の呼びかけにより開催され、市民からの陽子線がん治療施設への期待の高さが確認されたところであります。
 そこで、以下4点について健康福祉局長にお尋ねいたします。今回、陽子線がん治療施設を名古屋市に設置する意義について御所見を求めます。
 次に、放射線治療の専門医は、アメリカでは約5,000名いるのに対し、日本では大変に少ないと聞いています。今後、日本における陽子線治療も含めた放射線治療ができる専門医の育成が課題となると思いますが、本市における専門医の状況はどうなのか。また、専門医を目指す人材育成としての観点から陽子線がん治療施設はどのような位置づけとなるのか。また、県内外の他の医療機関との連携も重要と考えますが、いかがお考えかお答えください。
 がんの治療とあわせて、がん対策の重要な位置づけとされるのが患者さんへの緩和ケアとされています。これについても、国内ではまだまだ対応がおくれているとの指摘があります。これまでは、がん治療を徹底して行った後、末期になってから緩和ケアへと移行され、患者は痛みに耐えながら、その副作用と闘っているという現実があります。患者さんのクオリティー・オブ・ライフの向上を目指す緩和ケアについて、本市では今後どのような対応を検討しているのかをあわせて健康福祉局長にお尋ねし、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)

◎市長(河村たかし君) まず、第1問が市民税減税につきまして、非納税者の方はどうするのかということと思います。まず、これは減税でございまして、調べましたら日本初ですね、きちっと条件なしで税率が変わるというのは。地方税法第314条の3の100分の6という市民税でいきますと、この規定が100分の5.4に変更されます。ですから、まず、非納税者の皆さんは、これはまた別個にというとちょっと感じが悪いですけど、これはまた全力を挙げて支援できる方策を今考えております。
 しかし、納税者の人の税額を減らすという、これはすべて、後で答弁もあると思いますけど、行政改革でやります。こういう取り組みを、じゃあ、しないほうがいいのかと聞いてみたんですね。減税ほど強烈な行政改革はありませんよ、まず。だから、今回は、今言いましたように、非納税者の皆様にはちゃんとしかるべく全力を挙げて対策できるように検討しておるところでございます。
 それから、市民生活の支援というマニフェストの目的に合致するのか、これはまさに合致するのでして、税率を減らすということは、例えば商売でいえば、売り値を安くして、たくさん売って商売を栄えさせるという、これは日常生活ではだれもがやっている努力なんです。だから、日本ではなぜか不思議に、よりよい公共サービスをより安く提供するという、だれも言わなかった。外国ではしょっちゅうやっていますけど。という第一歩が始まるということでございまして、それプラス、これからは当局は大変になると思いますけど、いわゆる3万人大作戦ということで、赤ちゃんを産むなら名古屋へと、商売をやるなら名古屋へと。理由はなぜだと、市民税が1割安いからという大キャンペーンをやります。私も、もうお二人ほど名古屋に住むということで約束してまいりました。やっぱり市民税の減税ってすごいんですよ。そういうことをして、なるべくたくさんの人に住んでいただいて、なるべく多くの商売に来ていただいて、雇用もふやして、それで名古屋の、また尾張圏の経済を豊かにすると。これこそごく当たり前のことなので、これをやらずに口先だけで名古屋圏を発展させると言うほど無責任なことはないと私は思いますよ。
 それから、金持ちはゼロという約束はどうなんだというお尋ねでございましたけど、私が書いた文章を読んでいただければ、金持ちはゼロという非常に抽象的な記述をしておりまして、いわゆる金持ちって幾らかわかりません。だけど、金を持っておる人は、ぜひ減税した分は、商売の人だったらお客様還元セールとか、それから、本当のお金持ちだったら寄附をするとか、そういう精神でやってもらえんでしょうかと、こういう趣旨でございます、これは。ですから、今、どうやって寄附をされていくかという制度を全力を挙げてやっておるところでございます。  一番大事なことは、私どものやっておることは給付金ではありません。前回、麻生さんがやってきた、あれは給付金で、お下がりでばらまきというやつです。お上から下々にこれだけお金を配るでええかと、そういうやつです。そんな高い目線でやっておりません。税率を変更するんです。それだけ名古屋市の職員は全力を挙げて行政改革に取り組んで、市民の皆さんに奉仕するという根源的な思想が違うんです。時限立法でもありません。だから、日本で初めてです。減税には定額減税、定率減税がありました。あらゆるものを調べましたけど、皆すべて条件つきになっております。今回は条件はありません。ということでございます。
 それから、必要な市民サービスの確保ということで、これは福祉--必要な福祉ですよ、福祉でも時代が変わっていって、もうそろそろこの部分は要らない、ないしほかのサービスに変わらないかぬようなところがありますから。そういうのは別としまして、必要なサービスについてカットすることはありません。
 それから、もう一つ、一つ一つ言われましたが、要するに、こんばさんの提案についてどうだというお話でございますので、お金持ち優遇、大企業優遇はやめると。優遇ではありません、減税なんです。これは減税です、税率が変わるということです。なぜかといったら、じゃあ、今の税率はお金持ち優遇なんですか。市民税は6%ですよ、言っておきますけど。平成19年までは5・10・13といいまして、住民税は5%と10%と13%、累進課税を持っていましたけど、たしか19年からだと思いますけど、単一課税に変わりました。個人の住民税でいえば10%、だから、お金持ちでも10%なんですよ。市民税でいうとお金持ちでも6%。お金持ちでない人でも6%。それが、それより別のところが3,000円になっていますよね。だから、お金持ち優遇とかそういうものじゃありません。税率を変更することです。もしこう言うんだったら、本則を変えないかぬのです、これは。地方税法そのものを変えて、また累進課税に戻すのかということになると思います。
 それから、福祉はカットしないということはそのとおりでございまして--必要な福祉はですよ、変更はいろいろあり得ますから、それは。福祉だけ一切無駄遣いがないということはありませんからね。
 それから、定額支援金方式及び定額減税方式を採用ということになりますと、これはこういう考え方もあるので、マニフェストにちょっと書いておきましたけど、やっぱり6%という均一課税をとっておるんですね、今、国の法律で。こういう定額という考え方もないわけじゃないけど、やっぱりばらまき型ですよね、これは。だけど、今回の場合は税率を変えるんです、とにかく。これが革命的というか、日本で初だということです。
 それから、上記の場合、1人当たり1万円とするということですが、今回はそういう方式はとっておりません。
 それから、期間は、現下の経済状況をかんがみ2年間を限定とし、3年以降は減税成果を検証の上、そのときの経済状況を見て検討と、こういうのをいわゆる、これはいわゆるばらまきに近いわけですわ。このときだけお配り申し上げるということで、そうではありません。決然と安い税率で名古屋市はやるということです、行政は。それだけ行政改革を徹底してやるという、これはすさまじい決意なんです。
 赤字市債80億円の増発をやめるということで、これはまた住田さんからお話があると思いますけど、一つは、今回の減税の財源については、これは明確に行政改革で充てると。これははっきりそういうふうに総務省にも申し上げることになりますが、そういうふうに申し上げておりまして、一般的に税収不足になったときにこういう制度があるということは事実ですので、これはこれでやらせていただくということです。これを言うとまた議論になりますけど、市債の性格については、また一遍、こんばさん、ここで言うと長くなりますので別個に、いわゆるISバランスの話ですね。貯蓄投資バランス、そんな話をお話ししたいと思います。
 それから、財源は、議員を含めて全名古屋市公務員の人件費カット及び踏み込んだ定員管理により捻出ということでございますが、事実これをやっております、これは。ですから、皆さんおもしろないかもわからぬけど、給料が下がります、これは。ということでございますが、これだけではいかぬものですから、例の外郭団体への随意契約400億円でしたか、そういうことも含めまして徹底的な行政改革を市政全般についてやったと、やっているということも言えますけど。というところでございます。  以上でございます。

◎副市長(住田代一君) 市民税減税条例につきまして、私のほうに、恒久的な財源確保の方策や展望についてお尋ねいただいたというふうに思っております。
 まず、減税実施に伴います減収につきましては、先ほど申し上げましたように、徹底した行財政改革ということで、これは市長さんとも何度も議論しておりますが、名古屋市の財政は豊かかと、だから、できるのかという議論は決してないということだけ一生懸命させていただいたということでございますので、よろしくお願い申し上げます。
 それから、サービスのカットの懸念につきましても、一定の財源配分方式でやらせていただいておるというのは続けておりますが、今後また12月、1月と市長の前で関係局から細かい資料を出しまして、市民に必要なサービスが低下しないようにしっかり議論してやらせていただきたいと、取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 また、将来に対する展望でございますが、これも議員のほうから御指摘いただきました収支見通しのほうでもお示ししておりますように、翌年以降も大変厳しい状況が続いていくことは事実でございます。ただ、通常の財源不足と減税に伴う財源不足を比してわかるように、努力する部分と、それから、歳入確保の部分を明らかにしながら、一生懸命取り組もうということで表現させていただいておりますので、ただ、具体的な方策につきましては、今年度取り組んでおります行財政改革が引き続き来年以降も続くことを前提に、さらなる取り組みを踏まえて歳入確保にも努めながら、何とか対応していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

◎市民経済局長(鈴木邦尚君) 本市におけます景気・雇用対策についてお尋ねをいただきました。
 本市では、経済及び雇用対策に関する各種施策を各局が連携して推進するために、本年4月に関係局長等を構成員といたします経済対策推進会議を設置し、これまで緊急雇用創出対策や情報の共有化などに努めてまいりました。
 これまでの取り組みといたしまして、景気・雇用対策といたしましては、厳しい経営環境にある中小企業への支援として、経済変動対策資金の限度額引き上げや、中小企業診断士等の専門家の出張相談を実施してまいりましたほか、雇用対策といたしましても、国の緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生事業などを実施し、10月末現在で延べ1,200人余の新規雇用機会を確保いたしたところでございます。
 また、6月補正予算におきましても、地域活性化・経済危機対策臨時交付金などを活用し、公共事業や低公害車の購入等の景気刺激策を実施するとともに、全庁的に官公需契約におけます中小企業の受注機会の確保を呼びかけてまいったところでございます。このほか、愛知県や名古屋商工会議所と連携いたしまして、あいち・なごや内需拡大キャンペーン運動などを実施しまして、消費喚起にも努めてまいったところでございます。
 今後の取り組み、見通しについてでございますが、11月の内閣府の月例経済報告によりますと、景気は持ち直してきているが自律性に乏しく、また、緩やかなデフレ状況にあるとされておりまして、中小企業を中心として今後とも引き続き厳しい状況が続くものと認識をいたしております。
 このため、本市といたしましても、年末、年度末に向けました対応といたしまして、新たに本市臨時職員の緊急雇用を予定するとともに、経済変動対策資金の融資対象業者の拡大や、相談窓口の時間延長などに取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。  以上でございます。

◎総務局長(長谷川博樹君) 二元代表制における首長と議会との関係につきまして、議員定数について数点のお尋ねをいただきました。
 まず、現行の議員定数75人についてでございますが、議員からもおっしゃられましたように、地方公共団体の議員定数は、地方自治法に基づき上限定数の範囲内で条例により定めるものとされております。本市におきましては、法定の上限定数88人でございますが、議会におかれまして条例で75人と定めておられるところでございます。
 次に、議員定数を半分の38人とした場合の問題点や課題についてでございますが、今回の住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例、この案では、地域委員会制度の創設、市民税の減税、議会の改革、この3点を3本の柱にいたしまして市政改革を実施するものでございまして、こうした改革の一環として議員の定数は現行の半減をめどとして減員すると、こういった提案をさせていただいているところでございます。
 また、この条例の第6条第2項におきまして、議員による条例案の提出、調査研究、行政の監視活動、こういったものを充実させるために、市長において議会からの求めに応じ、人員の配置、予算の計上等、必要な措置を講ずるとしているところでございます。したがいまして、この条例によりまして、住民が主体となった市政を実現しようとするものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。

◎健康福祉局長(長谷川弘之君) がん治療に対する本市の取り組みについて数点のお尋ねをいただきました。お答え申し上げます。
 まず、陽子線がん治療施設を名古屋に設置する意義についてお尋ねをいただきました。
 議員御指摘のとおり、がん治療のうち放射線治療を実施している患者数は、欧米と比較して非常に低い状況にございます。今後は、患者さん自身がよりよい治療法を選択する時代となり、放射線治療を求める方が増加すると考えております。このような状況の中で、この東海3県には、最先端の放射線治療である陽子線がん治療施設を提供する施設がなく、空白地帯となっております。
 陽子線治療に名古屋が取り組むことは、この治療に期待してお待ちいただいている多くのがん患者さんに最先端の治療を提供する、そういうことだけではなく、さらには、この地域のがん治療水準の向上、またさらには先進的な治療を目指す若い医療従事者の集積に結びつくもので、意義は極めて大きいものと考えてきたところでございます。
 次に、放射線治療医の専門医の状況を、さらに人材育成という観点からの位置づけについてお尋ねをいただきました。
 陽子線治療のできる専門医の育成につきましては、名古屋市立大学や名古屋大学を中心に育成していくことになりますが、市立大学病院の医局全体で放射線医は105人おりますが、そのうち放射線治療の治療医という先生方が22人おみえになります。既に兵庫県立粒子線医療センターなど既存の施設に医師を派遣し、人材育成に努めておみえになるという状況でございます。  この地域に最先端治療にチャレンジする陽子線がん治療施設ができれば、すぐれた人材が集まり、この地域で育成され、全国に輩出されることとなるなど、名古屋市のみならず、この地域全体のがん治療に対するポテンシャルの一層の向上に結びつくものと思っております。
 次に、他の医療機関との連携についてでございます。
 医療の連携につきましては、平成19年度から愛知県と共同して、粒子線がん治療医療連携専門家会議というのを設置いたしまして、これまで4回、この会議を開催してまいりました。この会議での検討の中では、この圏域、東海地域への拡大や具体的な治療基準を作成するため、専門医による専門部会の設置などについて議論をしていただいております。この施設を名古屋市のみならず、東海3県の財産として有効に活用するためには、県内外の医療機関との連携は必要であり、また、人材の育成という面からも大切なことだと考えております。
 最後に、緩和ケアへの今後の取り組みについてお尋ねをいただきました。
 我が国における死因の第1位はがんでございます。高齢化の進展とともに、がん患者の数は今後も増加することが見込まれます。そうした中、がん対策については、早期発見のための検診体制の充実や、医療技術の進歩による治療方法の開発が進められ、治癒する例もふえている一方、終末期を迎える患者さんに対しては、残された時間をより充実して過ごしていただき、人間の尊厳を保ちつつ生活できるような医療やケアが求められております。
 このような状況を踏まえ、本市といたしましては、ことしの6月から東部医療センター守山市民病院において緩和ケア病棟15床を整備し、がん患者さんや御家族の方に対して、身体的、精神的ないろんなさまざまな面から支援に取り組んでいるところでございます。今後の取り組みでございますが、終末期医療体制の充実を願う市民の方々のニーズは大変多く、緩和ケア病棟の整備だけでなく、病院、診療所などの在宅緩和ケアとの連携などによる医療提供体制が求められております。さらには、緩和医療にも高いQOLが求められております。
 先月開催いたしました公開討論会の中でも、陽子線治療は、将来他の治療法とあわせて緩和的治療に一定の役割を果たす可能性があると、そういった御意見もいただいたところでございます。今後は、より一層患者さんがその症状に応じてふさわしい医療を適切に受けられるよう、多方面から総合的に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

◆(こんばのぶお君) 時間がもう、私の持ち時間もありません。再質問をしたかったんですけれども、後のまた議論にゆだねたいと思いますが、私は、ずっと市民の皆さんとお話をしております。私のほうからお話をするというよりも、市民の皆さんがどういったことで困っているのか、どういった声があるのか、そういったことを一生懸命聞き役として、ずっとお話を聞かせていただいています。その中で、例えば先ほどの市民税減税については、多くの方が実は思い違いをなされていらっしゃる方がいるということがわかったので、市長さんの思い、金持ちゼロ、また市民生活の支援と、こういう点についてどうだといった提案をさせていただきましたけれども、あくまでもこの部分については、皆さんは私のところにも返ってくるんだな、非課税の方もそうやっておっしゃってみえたので、こういったお話をさせていただいたわけです。
 もっとわかりやすい言葉で、ぜひ市長さん、話をしていただきたいというふうに思いますし、また、先ほど非課税世帯の方にはいろんなことを考えておるということでしたので、早く具体的な対策を示していただきたいというふうに思います。
 また、議会の定数について、先ほど答弁がありました。これは、いわゆる行政の暴走を食いとめるためには、議会の発言というのは非常に大きくなるわけですね。行政が勝手に暴走してしまって、税金の使い道やら何やら勝手なことをされては市民が困る。こういったところで、この議席定数が減るということは行政にとっても大変うれしいことなのかなというふうに先ほど聞いておりました。
 多様な市民ニーズをしっかり吸い上げるためには、果たして少人数の議員で足りるのか。時間もお金もこれはかかることでございます。さまざまなスタッフを補充すればいいといった話もありましたけれども、そんなことをしたら、今の議席よりも多くの人数が大変な時間をかけてやることになる。そういったことで、声に出して言える方の声を聞くのは簡単かもしれませんけれども、なかなか話したくても話せないようなお年寄りやいろんな方がいらっしゃるんです。そういった声をしっかり吸い上げるためにも、私たち議会の使命というのはますます大きくなってきているんだなということも私の意見として申し述べさせていただきます。
 何はともあれ、今、大変疲弊しているこの市民の間で一番望まれていることは温かみです。温かい施策がきちんきちんと打たれることが一番望まれているわけでございます。このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。(拍手)