◆(こんばのぶお君) 通告に従い、順次質問いたします。
初めに、ガソリンなどの燃料価格の高騰による本市財政への影響についてお尋ねいたします。
世界的な原油価格高騰の影響を受け、ガソリンの小売価格が1リッター当たり170円台を推移するなど、私たち市民生活にもさまざまな影響が出ております。来月には1リッター180円台になるとの予測もある中、世界の原油先物市場の値動きは我々市民生活と直結しており、今後の燃料価格の動向には注意せざるを得ない状況です。また、行政への影響も懸念されるところであります。
そこで、燃料価格が高騰していった場合の本市財政に与える影響について、松原市長にお伺いいたします。
例えば、原油価格がさらに上昇し、ガソリン小売価格が1リットル当たり200円になった場合、当局からの資料をもとに私が試算したところ、自動車の燃料代だけでも3割程度の増加が見込まれるほか、原材料費や資材費、運搬費、光熱費などについても上昇するものと推測されますが、その場合の本市財政運営上の影響についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。
次に、たばこ税についてですが、税財源の検討において、超党派の国会議員の間で、たばこの小売価格を1,000円に引き上げてはどうかといった議論があります。
現在、本市のたばこ税収を172億円と見込んだ予算編成となっていますが、仮にたばこの小売価格が1,000円になった場合、本市税収への影響や使途についてどのようなお考えをお持ちであるか、松原市長の率直な見解をお聞かせいただきたいと思います。
次に、自転車の安全利用とマナーについて質問いたします。
6月1日より改正道路交通法が施行され、中でも、自転車は車両として原則車道を通行するという自転車通行に関するルールが明確になりました。これを受け、本市における自転車の安全利用のための整備について、緑政土木局長にお尋ねします。
現在、国土交通省と自治体と警察などが連携して、全国98カ所において自転車通行環境整備モデル事業が実施されています。市内では、鶴舞地区と桜通地区の2カ所です。また、伏見通の左側車線を自転車通行車線とする整備を進めています。
先日、同様の整備で4月から供用が始まっている東京の亀戸地区を視察してまいりました。片側4車線のうち1車線を自転車専用道路としてガードパイプで分離しており、利用者もゆっくり落ちついてすいすいと通行していました。道路が広い場合は有効な手段であるとの印象を受けました。
さて、本市では平成13年より、幅員3メートル以上の歩道で自転車と歩行者を区分した整備を進めています。しかし、場所によっては自転車通行帯に駐輪や店の看板などの障害物があり、自転車は歩行者側を走行せざるを得ず、安全確保の上で問題となっていますが、広い歩道が確保できるところは特別であり、本市の歩道幅員の60%は3メートル未満の狭い歩道です。つまり、先ほどの二つの整備方法では対応できず、車道に自転車専用レーンを整備するなどの検討が必要となります。
以前、私は議会質問の中で、通学路の安全確保のために路側帯をカラー舗装し、道路との区別化を図ることを提案しましたが、同様の対策により視覚効果も期待できる方法です。同様の整備が東京都渋谷区幡ケ谷地区で実施されており、あわせて調査してきました。この青いところが自転車通行路側帯になります。
このように、片側1車線道路の歩道側1.5メートル幅の一部を青くカラー舗装することによって、一目でわかるように自転車通行帯として区分しています。しかし、自転車通行帯に駐車している車両もあり、これを避けるために車道にはみ出たり、相変わらず歩道を走行するなど課題もあるようです。
今後の本市における自転車通行帯整備をどのように進めていくのか、緑政土木局長にお尋ねいたします。
また、同時に、自転車の運転マナーの向上施策も重要であります。猛スピードで歩行者の間をすり抜けたり、信号無視や斜め横断など、無謀な自転車走行や夜間の無灯火走行による交通事故も増加しており、自転車の運転マナーの向上が求められています。安全走行と交通ルールの順守のためにも、広く市民に改正道路交通法を周知すべきです。
例えば、自転車の安全運転義務違反は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、夜間の無灯火運転は5万円以下の罰金、酒に酔ったまま自転車を運転した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金であるなどの具体例の周知とあわせ、自転車運転マナー向上のための具体策をどのように展開するのか、市民経済局長にお尋ねいたします。
次に、市民一人一人の防犯意識の向上施策と適切な救急通報についてお尋ねいたします。
去る6月8日に、東京秋葉原での通り魔無差別殺傷事件は、休日の歩行者天国という私たちの身近な場所で起きた殺傷事件であったため、大変な衝撃を受けました。突然にして御不幸にも事件に巻き込まれ、とうとい命を落とされた7人の犠牲者の方々と御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げるとともに、けがをされ、現在も治療中の皆様方の一日も早い回復を願ってやみません。容疑者と何の関係もない人が殺傷されるという蛮行を断じて許すことはできません。
今回の事件以前にも凶悪な通り魔殺傷事件は起きています。2005年2月、安城市内のスーパーでの男による赤ちゃん殺害及び子供と女性への傷害事件。昨年12月、佐世保市のスポーツクラブでの散弾銃乱射事件では、2人が死亡、6人が重軽傷を負う事件。ことし1月には、品川区の戸越銀座商店街で16歳の高校生が包丁で女性2人にけがを負わせた通り魔事件。3月、土浦市のJR駅で通行人など8人に刃物で切りつけ、1人が死亡、7人が重軽傷となる通り魔事件が起きています。
本市では3月に、中区新栄の路上で女性が自転車に乗った男に背後からいきなり刃物で刺されるといった通り魔事件が発生。一命を取りとめたものの、女性の肺にまでナイフが達する事件でした。また、市内千種区の公園で女子中学生が、また、同区路上において女子高校生が同じように何者かによっていきなり髪の毛を切られる事件が起きており、犯人はいまだ逮捕されていません。最近では、ひったくり事件がまた頻発しています。
これらの事件の共通点は、相手はだれでもよかったとの逮捕された容疑者の供述のように、だれでもよいといいながらも、被害者の大半が子供や女性、老人といった弱者と言われる人たちであるということです。このような事件は事前予測が不可能であり、いかにして弱者を守れるのか、市民一人一人が突発的犯罪からいかに自分の身を守るかという日ごろからの心がけが大切です。
これらを踏まえた上で、松原市長にお尋ねいたします。治安を守るのは警察であり、容疑者の逮捕権も警察にあります。法律の枠を逸脱することは無論できませんが、通り魔による殺傷事件などの凶悪事件から、220万名古屋市民はもとより、名古屋を訪れる人を含めたいわゆる名古屋の人たちをどのように守っていくお考えなのか、松原市長の答弁を求めます。
次に、具体的方策について市民経済局長にお尋ねします。
名古屋市としても、ただ警察にお任せではなく、防犯への取り組みに一歩踏み出す展開が求められています。まずは、自分自身で身を守ることです。
突発的な犯罪から身を守るための護身術を調べると、まずはその場から逃げる、大声を上げて助けを求める、持っている身の回り品、例えばかばんなどで防御をするなどの心がけが大事であるとされています。さらには、逃げ込める場所を確認しておくことも重要です。コンビニ、病院、こども110番の家などをふだんからチェックしておくことも大切です。歩きながらの携帯電話の通話やメールなども危険だと言われています。
こうなってくると、健康づくりのためのウオーキングや犬の散歩などが本来の楽しいものではなくなるようで、気持ちまでもが殺伐としてしまいますが、いざというときを常に意識しておくことは大切であると思います。
これら具体的な行動の取り方などをどのように意識づけ、広報できるかです。市民を初め学校や仕事、スポーツ観戦や観光などで毎日名古屋を訪れる多くの人たちに情報提供をするためには、広報メディアによる視覚、聴覚への訴えかけが最も効果があると考えます。
例えば、栄の電光掲示スクリーンを使った情報発信や、ことし、ストイコビッチ監督を迎え、優勝をねらえるほど好調な成績により観客数もふえている名古屋グランパスエイトのホーム、瑞穂公園陸上競技場の大型スクリーンを使ったハーフタイムでの広報活動への協力要請などはできないでしょうか。
これら今後の具体的な方策について、市民経済局長にお尋ねいたします。
また、以前、本会議において先輩の林議員からひったくり防止について質問があり、松原市長から3B作戦が紹介され、ひったくり事件が減少した実績があります。最近、ひったくり事件が頻発していることから、今再び3B作戦の市民への広報をすべきではないでしょうか。あわせて市民経済局長の答弁を求めます。
次に、事件現場に居合わせた市民が119番通報する際、的確な情報伝達が時間短縮や現状に合わせた緊急対応に役立つと考えますが、通報する際に伝えるべき情報のポイントは何か、消防長にお尋ねいたします。
また、市民との協働を図る上でも、市民体験型の通報訓練の機会をふやすことも重要であると思いますが、あわせて消防長の答弁を求めて、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)
◎市長(松原武久君) ガソリンなどの燃料価格の高騰による本市財政への影響についてお尋ねをいただきました。
平成20年度の予算の執行に当たりまして、計画的かつ効率的な執行を確保することなどを定めた執行計画を各局室長に対し通知をしているところでございます。その執行計画の中で、サブプライム住宅ローン問題、あるいは原油価格の高騰に加えまして、円高や食料品、原材料費の値上げなどによりまして景気の先行きに不透明感があり、予算の執行には十分留意する必要があると注意喚起を行ったところでございます。
ガソリンなどの燃料価格が当初予算編成時よりも御指摘のように上昇しておりますが、まずは、予算全体の効率的な執行に努めることで対応してまいりたいと考えております。
なお、議員御指摘のとおり、原材料費や材料なども上昇しておりますことから、今後の価格動向に十分注意をしながら適切な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、たばこ税についてお尋ねをいただきました。
市たばこ税は、平成20年度予算で申し上げますと172億円でございまして、市税収入の3%を占めておりまして、貴重な一般財源として市政全般の推進に活用させていただいております。
たばこ税の税率引き上げ自体につきましては、増収要素となるものの、近年の健康志向の高まりやたばこの小売価格の引き上げなどによりまして、たばこの消費量は年々減少傾向にありますことから、大幅な小売価格の引き上げが行われた場合には、一層のたばこ離れが進むことが予想されるところでございます。また、これまでのたばこ税収の推移を見ましても、さきに申し上げました要因などによりまして、税率の引き上げが必ずしも税収増をもたらしていない状況もございます。
したがいまして、議員御指摘のような、たばこの小売価格が大幅に引き上げられた場合の税収への影響を見込むことは現時点では大変困難である、このように考えております。
いずれにいたしましても、市たばこ税につきましては本市の貴重な財源でございますので、これまでと同様に本市施策に幅広く活用させていただきたいと考えております。
次に、市民一人一人の防犯意識の向上施策と適切な救急通報につきまして、私の考えをお尋ねいただきました。
今回の秋葉原で起きました無差別殺傷事件は断じて許すことのできない犯罪でございまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、傷ついた方々の一刻も早い回復を望むものでございます。
本市では平成16年に、大変長い時間をかけまして安心・安全で快適なまちづくりなごや条例を制定しました。その制定以降、地域の取り組みが積極的に進められました効果もございまして、市内の街頭犯罪発生件数は大幅に減少いたしましたが、一方で、御指摘の秋葉原を初め各地で突発的な無差別な殺傷をする凶悪事件が発生しておることも事実でございます。
市民一人一人が突発的な犯罪から自分の身を守り、犯罪に遭わないよう日常的に意識すること、また、多くの市民の皆様の参画によりつくり上げました各区の安心・安全で快適なまちづくり協議会が市民生活のさまざまな場面できちんと機能することが重要であると認識をいたしております。それぞれの地域では、例えばただいまパトロール中という掲示板をつけて自転車に乗ってパトロールしたり、あるいは青パトの運行をしたり、あるいは市民の自主的交番をつくったりと、こういった活動がこの協議会がもとになって展開されておる、そういう状況もございます。
私といたしましては、市長といたしまして、市民の生命、財産を守る、これは名古屋を来訪される方も含めてでございますが、そういった基本的な責任を持っている、そういう自覚のもとに、この名古屋は安心・安全である、安心に暮らせる、そういった場所である、そういうまちであるということを強く意識し市政運営をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
◎緑政土木局長(村上芳樹君) 自転車の安全利用のための整備とマナーに関し、自転車通行帯の整備につきましてお尋ねをいただきました。
本市では、交通安全の観点から、広い歩道を活用し、自転車と歩行者の通行を区分する歩道整備を実施しております。
近年、全国的に、歩道での歩行者と自転車が関連する事故が急増しており、これに対応するため、警察庁と国土交通省により、平成20年1月から全国で自転車通行環境整備モデル事業を実施することとなりました。
このモデル事業の中には、歩道に十分なスペースがとれないところで自転車の安全な走行を確保するため、議員御提案の車道を活用する手法を取り入れた都市もございます。しかしながら、車道に自転車の走行空間を確保することは、自動車の駐停車対策など課題もございます。そのため、本市への適用につきましては、今後、全国事例を参考に警察とともに検証してまいります。
いずれにいたしましても、歩道または車道に自転車走行の安全な空間を確保することは、今後の自転車利用の促進につながるものといたしまして検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
以上でございます。
◎市民経済局長(長谷川博樹君) 市民経済局関係の御質問にお答えさせていただきます。
まず、自転車の運転マナーの向上策でございます。
本市におきましては、交通安全対策基本法に基づき、平成18年7月に第8次名古屋市交通安全計画を定めておりますが、年度ごとの計画である平成20年度の交通安全実施計画では、自転車対策を重点といたしました。
そこで、自転車の運転マナーの向上策といたしまして、高校生向け、一般向けなどに、改正道路交通法に沿った自転車安全利用リーフレットの作成、交通安全ニュースの発行やラジオによる広報を実施いたしてまいります。
また、まるはちの日、安心・安全で快適なまちづくりキャンペーンや区民まつりなどの市が実施するイベントにおきまして、すべての年齢層の市民に対して広く改正道路交通法の内容を周知するとともに、自転車運転マナーの向上を呼びかけてまいります。さらに、事業者に対しても、事業者団体などを通じ、交通ルールの周知、交通マナーの向上について啓発を進めてまいります。
今後とも、警察、地域、関係行政機関との連携を深め、自転車の安全利用など交通マナーの向上になお一層努めていきたいと考えております。
次に、防犯意識の向上施策について、2点のお尋ねをいただきました。
まず、防犯意識の醸成に有効な広報活動についてでございます。
これまで、キャンペーンやイベントでの啓発を初め各種媒体を使用した広報活動を行ってまいりました。今後は、市民、事業者、行政との協働による生活安全市民運動にも取り組んでまいりますが、その広報誌におきましても防犯意識を高めるための情報を提供してまいります。
また、金山総合駅構内の大型映像装置も活用してまいる予定でございますが、ただいま議員から御提案のございました瑞穂公園陸上競技場の大型映像装置によるPRにつきましても、名古屋グランパスエイトの試合の際に活用できるよう、主催者との調整に努めてまいります。
次に、ひったくり防止3B作戦の広報でございます。
3B作戦とは、三つのBに注意するというものでございまして、バッグを車道と反対側に持つ、後ろ、すなわちバックをこまめに振り返る、バイクに気をつけるという、この三つのBに注意するというものでございます。
最近増加傾向にございますひったくりを防止していくためには、この3B作戦を市民の皆様に一層周知することができるよう、また、高齢者など被害に遭いやすい市民やひったくり多発地域を対象として、重点的に今後のキャンペーンやパトロール活動を実施してまいりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
以上でございます。
◎消防長(小西富夫君) 119番通報のポイントと市民体験型の通報訓練につきましてお尋ねをいただきました。
まず初めに、119番通報をする際に伝えていただくポイントについてございますが、119番通報するときに最も大切なことは、何よりもまず落ちついていただくことです。そして、通報のポイントといたしましては、何があったか、場所はどこか、どのような状況かにつきまして、できる限り具体的に伝えていただくことが必要でございます。
しかしながら、119番通報は、市民の皆様にとってふだん経験することのない緊迫した状況の中で行うこととなりますことから、的確な通報を行うことは大変難しいと考えているところでございます。
消防局といたしましては、市民の皆様から119番通報を受信した際に、必要な情報をすばやく、かつ正確にお聞きするため、今後とも防災指令センター係員の聞き取り技術の一層の向上を図ってまいります。
次に、市民体験型の通報訓練の機会をふやすことについてでございます。
これまでも、火災を想定した消防訓練の際には実際に119番通報を体験していただいているところでございますが、今後につきましては、防災イベントや講習会におきましても119番通報を体験していただける機会をふやすよう十分配慮してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆(こんばのぶお君) 最後に要望させていただきます。
今、身近で起きている事件の裏側には、心の問題との関連性を指摘する心理学者もいます。複雑な社会背景の中、名古屋市政を力強く推進していかなければならない使命が市長さんにはあります。今、名古屋市を初め日本じゅうがこれまでにないさまざまな課題と向き合い、乗り越えようとしています。
先般、30代の若さで知事になった方がいます。こういった時代を乗り越えていくリーダーとしての期待を担い、その使命を果たさんと体を張って頑張っている報道を見ました。大変に印象的でありました。
今後とも、力強く夢と希望と安心を名古屋市民に与えられる市政運営を推進されることを強く要望いたしまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)