平成19年6月定例会(6月25日)

119番通報時における位置情報通知システムについて

ゆとりーとライン、あおなみ線の利用しやすい運賃について

通学路の整備について


◆(こんばのぶお君) お許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をいたします。
 初めに、119番通報時における位置情報通知システムについて質問いたします。
 緊急時に市民が119番通報した際、消防隊や救急隊がより早く現場到着するためには、位置情報の正確かつ的確な収集が求められます。しかしながら、通報者の気が動転している場合や緊急事態に偶然出くわしたような場合は、現場の住所や位置などが正確に伝えられないといった状況もあるようです。また、通報手段として、一般電話のほか携帯電話による方法も年々増加している中、発信場所の詳しい位置情報を得るのは困難であり、その対策が急がれております。
 こういった中、第3世代の携帯電話やIP電話から緊急通報が入った場合に、携帯電話の場合、GPS、つまり衛星測位システムや通信会社の基地局を利用して通報者の位置を特定するといった、位置情報通知システムが他都市において整備されると聞いております。
 具体的には、GPS機能搭載の携帯電話であれば、半径約15メートル範囲の精度で通報者の位置を特定でき、通報日時や電話番号とともに場所の経度、緯度が地図表示され、住所が表示されるシステムであります。今年度は、横浜、京都、神戸市を初め八つの政令市においてこのシステムが整備、運用され、大阪市も来年度の整備が予定されております。
 本市においても、同システムの活用による、より正確で迅速な救急対応が期待されるところですが、本市での整備計画はどのようになっているのか、消防長にお伺いいたします。
 次に、ゆとりーとライン、あおなみ線の利用しやすい運賃について質問いたします。
 守山区の志段味地域を横断するゆとりーとラインは、地域住民の人口増加に伴い、通勤や通学の乗客数が増加していると聞いております。しかしながら、平時気軽に移動ができるというふだん着のような利用料金にはまだまだほど遠いと言わざるを得ません。ガイドウェイバスの一部区間やあおなみ線では敬老パスが使えるのに、どうしてドニチエコきっぷが使えないのとの疑問の声が上がるのも、市民の正直な気持ちであるわけです。
 交通局のドニチエコきっぷは、昨年の発売以降、1日の販売枚数が1万8500枚と目標の約2.5倍も売り上げており、市民に大変好評です。アンケート調査でも、利用者の85%の方が料金の安さを理由に挙げています。私も積極的に利用していますが、全く同感です。初めは得した気分で市バスや地下鉄を乗り継いでいるのですが、自身の行動範囲が広くなることで新たな名古屋の魅力を発見することもあり、公共交通のよさやありがたさを実感しています。
 他都市ではバス事業を民営化へと移行するなどの動きがある中、本市交通局では、局長を先頭にさまざまな改革に果敢にチャレンジし、単年度黒字を計上するなど、市営交通事業経営改革計画の達成に向けて、積極的な知恵と実行力により、公共交通への誘導に向けて大きな成果を上げていると評価しております。
 ドニチエコきっぷの相互利用という点は、それぞれの事業者が違うから無理があるということは十分に承知しています。では、どうしたら、ゆとりーとラインも市バス・地下鉄もあおなみ線も市民にとってより利用しやすい公共交通になるのか、関係各局の知恵の出しどころであり、市民は大いに期待しているのです。
 ゆとりーとラインの小幡緑地駅には、守山スポーツセンターが平成22年開館予定されています。また、上志段味には、教育委員会の歴史の里や東谷山フルーツパーク、なごやサイエンスパークの推進や環境配慮型定住促進住宅の建設も計画されているなど、新しい名古屋のまちづくりやこの地域を訪れる市民の大交流が盛んになることは明らかです。
 同様に、稲永スポーツセンターやポートメッセなごや、金城ふ頭に建設予定のフットサル専用インドアスタジアムなど、市民がスポーツ競技やイベントに参加する機会も多く、あおなみ線へのさらなる乗客誘導が図られなければなりません。
 名古屋市内の全方位一体となった交通路線網を割安に結びつけるような、例えばドニチエコきっぷのような、ゆとりーとラインとあおなみ線を共通利用できる割安企画切符を発売するなど、市民が身近に利用できるようなさまざまな方策の具体的な展開を早期に検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。住宅都市局長に答弁を求めます。
 次に、通学路の整備について質問いたします。
 最近、子供たちの通学途中に車両が集団登校の列に突っ込み、子供たちがけがや死亡に至るといった痛ましい事故の報道を見受けます。通学路の道路幅員が狭いにもかかわらず車両の通行が多く、子供たちが安心して学校への行き来ができないところが市内にも結構あります。
 歩道がなく、ガードレールやガードパイプの設置が困難な狭い通学路の安全対策として、路側帯のカラー舗装化があります。これは、従来あったセンターラインを消し、路側帯を青や緑に塗り分けることにより、運転者への視覚効果をねらった安全対策です。道路幅員自体が狭く感じることにより運転者は道路の中央寄りを走行するようになり、より慎重な運転を心がけるようになることが期待できます。色分けによる視覚効果により車道との区分の明確化が図られ、通学途上の子供たちへの危険回避が期待できます。
 先日、尾張旭市でのカラー舗装道路の取り組みを調査してきました。路側帯が明るい若草色に色分けされ、一目でそれとわかるものでした。近所の方に聞き取り調査したところ、車の走行が以前と比べてゆっくりになった。路上駐車が1台もなくなったといった効果も確認することができました。
 本市では、平成18年度に各学区から出されたガードレールやガードパイプなどによる歩道の整備要望箇所は、ほとんど整備ができておりません。この路側帯のカラー舗装をすることによって、物理的に困難であった整備要望の約50%強が可能となります。
 児童生徒が安心して通学できるよう路側帯をカラー舗装化し、通学路の安全性を確保していく考えはないか、緑政土木局長にお尋ねし、私の第1回目の質問といたします。(拍手)

◎消防長(田中辰雄君) 119番通報時における位置情報通知システムについてお尋ねをいただきました。
 平成18年中に119番通報された市内の災害は13万4628件でありまして、そのうち携帯電話からの通報は3万1643件と全体の2割を超え、今後もさらに増加することが予測されるところでございます。携帯電話からの災害通報につきましては、通報者の位置の特定など災害地点の確認に時間を要しますために、発信地表示されるNTT固定電話に比べますと、出動を指令するまでの時間が1分程度長くかかっている状況でございます。
 また、IP電話からの119番通報につきましても、平成18年中は9,748件に及んでいるところでございます。
 一方、現在の指令管制システムは、この携帯電話の位置情報通知システムに対応しておらず、また、IP電話につきましても一部対応することができません。携帯電話、IP電話につきましても、NTT固定電話と同様に対応するためには、指令管制システムの更新が必要となります。
 現在、総合防災情報システムの更新を名古屋新世紀計画2010第3次実施計画に位置づけているところでございます。その全体計画を進める中で、指令管制システムを更新いたしまして、携帯電話及びIP電話の位置情報通知システムを導入することによりまして、119番通報の受信から出動指令までの時間の短縮を図っていく予定でございますので、よろしくお願いいたします。

◎住宅都市局長(尾崎好計君) ゆとりーとライン、あおなみ線の利用しやすい運賃につきましてお尋ねをいただきました。
 ゆとりーとライン、あおなみ線は、これまで、市内の基幹交通といたしまして利用者の方々に信頼される交通機関となりますためには、安定的な経営基盤の確立が重要であるといたしまして、さまざまな営業努力によりまして利用者数の増加に努めてまいりました。その結果といたしまして、1日当たりの乗車人員は、平成18年度には、ゆとりーとラインの高架区間で約9,200人、あおなみ線では約2万3000人と、利用者数を順調に伸ばしてまいりましたが、経営状況といたしましては依然として極めて厳しい状況にあるものでございます。
 議員御指摘のゆとりーとラインとあおなみ線を共通利用できます割安企画切符のような料金システムの導入でございますけれども、システムの改修費用の問題を初めといたしまして、会社の収支に与える影響は非常に大きいものがございまして、厳しい経営状況の中での早期導入につきましては難しいものと考えておるところでございます。
 しかしながら、市民生活に不可欠な移動手段であります公共交通機関相互の連携強化を図り、公共交通ネットワーク全体の利便性を高めてまいりますことは重要な課題と考えておるところでございまして、今後、事業の採算性の確保を図りながら、中長期的な課題といたしまして、関係局と連携をとりながら調査検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
 以上でございます。

◎緑政土木局長(渡辺恭久君) 通学路の整備につきましてお尋ねをいただきました。
 本市では、通学路の交通安全対策につきまして、地域の課題に対し、ソフトとハードの両面にわたり、関係局が連携し、それぞれの施策の中で取り組んでおります。当局といたしましても、防護さくや歩道の設置など、交通安全施設の整備に努めているところでございます。
 しかしながら、道路幅員が狭く、歩道等の施設整備による対策が困難な場所もございます。このような狭い道路におきまして、議員御提案の路側帯のカラー舗装を実施すれば、視覚的に児童と車を分離できる効果が期待できるものと考えております。今後、警察とも十分協議し、学校関係者や沿道住民の意見も聞きながら、可能なところにおきましては路側帯のカラー舗装を通学路の交通安全対策の一手法として取り入れてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。

◆(こんばのぶお君) それぞれ御答弁いただきました。ありがとうございました。
 位置情報システムについては、3年後までに整備を完了するとの答弁をいただきました。迅速かつ正確な情報をより多く得ることによって初動体制の強化を図っていただくことは、市民にとって大変心強いことです。例えば、地震などで倒壊した建物に閉じ込められたときなどにも対応が期待できますし、逆に、緊急を装ったいたずらなどの防止にもつながるのではないかと考えます。市民の生命を守るための今後の整備体制に期待をしております。
 ゆとりーとラインとあおなみ線の利用促進については、これまでも多くの議論がなされてきました。事業者の論理はあると思いますが、利用する市民の立場に立ったとき、どうしても利用運賃を下げる努力が必要不可欠となります。例えば、両社を統合し、一体となって課題を克服していくことも一つの方法かもしれません。厳しい経営状況の中、こつこつと頑張って成果を出している交通局の例を紹介しましたが、同様に、やればできるということを市民は期待しています。今後、早期の実行展開に期待しております。
 最後に、通学路の交通安全対策において、カラー舗装化を今後取り入れていくとの前向きな答弁をいただきました。次代を担う子供たちをしっかりと守っていくためにも、安全・安心のまちづくりのためにも、早期の実現を期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)