◆(こんばのぶお君) お許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問いたします。
初めに、これからの名古屋市職員としての人材確保について、数点に絞って質問いたします。
2007年問題と言われる、いわゆる団塊の世代の方々の大量退職を目前に控え、今後、その労働力や技術力をいかにカバーしていくのかといった問題の克服が重要課題となっています。
また、今後、新卒者を含めた若年就労者から優秀な人材を本市の職員として新たに採用するためには、民間企業だけでなく、他都市間における職員の人材確保の競争があることは想像にかたくありません。
この観点から、松原市長にお尋ねします。
誇りと愛着の持てるまち・名古屋の構築のためには、今後ますます多岐にわたるであろうさまざまな市民ニーズにこたえるべく、社会資本の整備と同時に、これまで以上に、市民とともに行動する職員の確保が重要であると考えますが、市長の考える、これからの名古屋の職員として求められる人材とは何かをお聞かせください。難解と言われる本市採用試験を高得点で突破する能力だけにとどまらず、公平な心と柔軟な対応力、抜群の行動力を兼ね備えた人を、これからの時代が、名古屋が求めていると考えますが、いかがでしょうか。
議会中継がインターネットで配信される時代となりました。恐らく、議会中継を多くの青年たちも見ていることと思います。松原市長から、名古屋市職員を目指す後継の青年たちに向けての熱い思いをぜひともお願いいたします。
次に、すぐれた人材を確保するための新たな方策として、民間企業での経験者や専門分野におけるすぐれた人材などを必要に応じてスカウティングし、即戦力としての職員登用を図るなどの採用方法も検討すべきではないかと考えますが、この点につきまして総務局長にお尋ねいたします。
また、本市におけるインターンシップ制度についてですが、平成14年度から受け入れが開始され、これまでに84人の学生さんたちが参加し、その後、本市職員となったのは6名であります。学生にとっては、将来の自分自身の仕事として向いているか、職場環境はどうか、情熱を傾けるにふさわしいかなどを知るまたとない機会であろうと思います。インターンシップ制度の利点を最大限に生かし、より優秀な人材を確保する上でも、職場の魅力醸成は同時に大変重要となってきます。
公務員の志望者数は、その時々の社会の景気動向に大きく影響されると言われていますが、名古屋のまちづくりに貢献したいという意欲ある人材確保のためにも、インターンシップ制度への積極的な参加促進策は重要であると考えますが、今後の活用について総務局長にお尋ねいたします。
次に、公共工事の品質確保のための総合評価方式に対する本市の取り組みについて質問いたします。
私は、昨年の本会議場において、公共工事の品質確保の促進に関する法律、品確法の施行を受けて、今後の本市での対応について質問いたしました。
品確法の特徴である、技術力や地域貢献実績などを総合的に評価ポイントとして加点するいわゆる総合評価方式の導入については、これまで国において、平成17年度では、金額ベースで全体の4割を導入しており、今年度では、実施目標を金額ベースで8割以上としています。愛知県においても、今年度、簡易型で15件程度を試行する予定となっています。
そこで、財政局長にお尋ねします。
前回の質問時では、国や他の自治体の取り組みも参考にしながら検討を進めてまいりたいとの答弁でしたが、国や愛知県では既に導入を開始しているのです。公共工事の透明性や公正性を確保し、さらに工事の品質の確保を図るために、本市においても早急に試行導入の検討を進めるべきと考えますが、評価項目等の検討状況や導入の時期について、改めて財政局長の答弁を求めます。
次に、留守家庭児童健全育成事業とトワイライトスクールのあり方について質問いたします。
専業主婦世帯と共働き世帯の推移は、平成8年を境に、パートも含めた共働き世帯が専業主婦世帯を逆転し、20年ほど前と比較して50%もの増加となっています。また、最近の傾向として、介護やボランティア、NPO活動など、さまざまな事情による留守家庭も増加しているのが現状です。
一方、子供たちにあっては、コミュニケーション能力や規範意識の低下、体験活動の不足などの今日的課題が指摘されているところです。
これら子供たちを取り巻く環境の変化を重く受けとめ、国においては、文部科学省と厚生労働省が連携し、全児童を対象とした地域子ども教室推進事業と、留守家庭児童を対象とした放課後児童健全育成事業を一体的あるいは連携して実施する、放課後子どもプランを来年度に創設。所管を文部科学省に一本化するとしております。これは、学校という安全な場所で、親の属性に関係なく、子供たちの大きな集団の中で、豊かで充実した放課後を過ごせるよう配慮するものと理解しております。
そこで、子ども青少年局長にお尋ねします。
本市では、トワイライトスクール事業が2年後に子ども青少年局に移管されるとのことですが、名古屋の子供たちを安心して健全に育成していくために、今後、両事業のあり方をどのように検討していくのか、市民から大いに期待され立ち上げた新局の長としての今後の意気込みと決意をお聞かせいただき、私の1回目の質問といたします。
ありがとうございました。(拍手)
◎市長(松原武久君) これからの名古屋市職員としての人材確保に関しまして、誇りと愛着の持てるまち・名古屋の構築を目指してということでお尋ねをいただきました。
私は、誇りと愛着の持てるまち・名古屋を構築するということは、とりもなおさず、住みたくて、そして訪れたくなるまちにすることだと思っています。この地域の中枢都市としての都市魅力を高めて、多くの方が、名古屋に行きたいな、住みたいな、そう思えるまちにしていくことがとても大事だと、こんなふうに思っております。
その担い手となるのが、本市で働く一人一人の職員であり、職員こそ名古屋市にとっての財産であると言っても過言ではないと、こんなふうに私は思います。
人口減少社会が現実のものとなり、地方分権が加速していく中、広い視野と柔軟な思考で、先見性を持って時代の潮流をつかみ、みずから挑戦する意欲、そういうものを持ち続けて、そして、市民の目線で行動できる人材を確保していくことが今求められております。私は、そうした気概あふれる職員とともに汗を流し、名古屋市民の豊かな暮らしを実現していきたいと考えております。
今後、いわゆる団塊の世代が大量退職をいたします。その後を埋めるための人材獲得競争が一層激化することが予想されます。本市におきましても、採用方法を工夫し、多様で優秀な人材を幅広く確保することはもちろんのこと、将来の職員の年齢構成や行政需要を中長期的に考慮し、バランスのとれた採用を実施していくことで、誇りと愛着の持てるまち・名古屋を構築したい、こんなふうに思っております。
なお、今年度の採用状況を見ますと、名古屋市は他都市に比べて採用数をふやしたわけでございます。そういう中で、試験当日の欠席者の数も例年並みに少なく、また、前年度を見ますと、合格後の辞退者も少ないということ、他都市が採用数を減らし、また応募者数が減っておる中で、名古屋市は横ばいである、こういうことにつきまして、うれしく思っておるところでございます。
◎総務局長(鴨下乃夫君) これからの名古屋市職員としての人材確保につきまして、2点のお尋ねをいただきました。
まず初めに、すぐれた人材を確保するための新たな方策でございます。
行政ニーズの高度化、専門化が進む中、すぐれた経験とノウハウや高度な専門性を有する人材を本市職員として採用することは大変意義があると考えております。
これまでも、工業研究所や美術館におきまして、研究や学芸の分野で専門性の高い人材を採用した実績があるほか、最近といたしましては、平成15年4月に男女平等参画推進センターにおいて、専門的な知識、経験を有する人材を相談担当の主査として採用しております。
今後とも、内部では得られにくい高度の専門性を備えた民間人登用の可能性を検討しまして、行政施策の需要に適時適切にこたえられる優秀な人材の確保につながるような採用を必要に応じて実施してまいりたいと考えております。
続きまして、2点目にお尋ねのインターンシップ制度の積極的な活用でございます。
本市におきますインターンシップの実施は、自治体の仕事に関心のある学生が、実際に本市の業務に一定期間携わることで就労への意欲を高め、実社会を経験するよい機会になっているものと考えております。研修生からは、実際の職場を体験することで、将来の職業像を描くことができた、自分を見詰め直し、方向づけるよい機会となったといったような意見を多くいただいております。
今後とも、学生への働きかけや受け入れ環境の整備を行いながら、就業体験の場としてのインターンシップ制度の積極的な活用を通して、本市の仕事に魅力を感じ、競争試験に挑戦する方々の増大につながるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎財政局長(林昭生君) 公共工事の品質確保に向けた総合評価方式に対する本市の取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。
価格及び品質を総合的に考慮して落札者を決定するいわゆる総合評価方式は、工事の品質確保などの観点から、本市として取り組むべき重要な課題と位置づけまして、本年1月には、関係局で構成をいたします研究会を設置いたしまして、課題の整理、検討を行っているところでございます。
具体的な検討状況でございますが、まず評価項目につきましては、国のガイドラインに掲げております評価項目のうち、同種工事の施工実績、工事成績などを評価する技術力、災害協定やボランティア活動の実績などを評価する地域貢献度などの分野を評価項目とする方向で検討を進めております。
次に、総合評価審査委員会につきましては、中立かつ公正な審査及び評価を行うために学識経験者の意見を聞くことになっておりまして、本市におきましては、外部の学識経験者を含む5名程度の総合評価審査委員会を設置する予定をいたしております。
次に、今後の検討課題と導入時期についてでございますが、評価項目の定義や、そのウエートづけ、また、総合評価審査委員会の運営方法についてさらに具体的に検討を進めまして、本年12月をめどに総合評価方式を試行したいというふうに考えておりますので、よろしく御理解をいただきたいと存じます。
以上でございます。
◎子ども青少年局長(佐合広利君) 留守家庭児童健全育成事業とトワイライトスクールのあり方につきまして、お答えをさせていただきます。
留守家庭児童健全育成事業とトワイライトスクールにつきましては、子供への支援を一体的に進めるために、平成20年度をめどに両事業の所管を子ども青少年局に一元化する方針でございます。
一方、国におきましては、この5月に、文部科学省と厚生労働省とが連携し、来年度をめどに、放課後の児童の居場所づくりを進める放課後子どもプランを創設することが公表されました。この放課後子どもプランは、学校が従来より積極的にかかわることや、あるいは子供たちの安心・安全のため、小学校内で実施することが原則とされていることなどから、教育委員会が主導して進めることとされています。また、福祉部門とも十分連携することが必要とされております。
本市におきましては、この6月に、教育委員会と子ども青少年局との間で新たに庁内検討会を立ち上げました。この検討会は、すべての子供たちが豊かな放課後を暮らすことができますよう、両事業のよりよいあり方を総合的に検討することを目的としております。現在、両事業の実態把握や課題の整理に努めているところでございます。
今後は、9月から始まります教育委員会のトワイライトスクール時間延長モデル事業の実施状況、あるいは、国の放課後子どもプランの動向を踏まえながら、次世代を担う名古屋のすべての子供たちが、安心・安全で、かつ健全に育つと、そういった視点を第一にいたしまして、学びや遊びの機能の充実、また、保護者が昼間家庭にいない子供たちに対する生活の場の充実という二つの側面から、両事業のよりよいあり方につきまして、新局に求められております総合調整機能を十分発揮する中で鋭意検討を進めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
◆(こんばのぶお君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。これについて、要望をさせていただきたいと思います。
これからの本市職員の人材確保についてですが、市長さんからは、みずから挑戦する意欲を持って、市民の目線で行動できる人材を確保していくと言われ、市長さんみずからがそうした職員の方とともに市民のために汗を流していくとの力強い決意を述べていただきました。今の答弁は非常に重く受けとめたいと思いますし、また、市民にとっても大変心強い言葉であろうと思います。
最近の若者の仕事に対する意識調査というのがあるんですけども、それによりますと、自分の仕事に何を求めるかという問いかけがありまして、これに対して若者は、やりがいと生きがいを強く求めている、こういう結果が出ているようです。
誇りと愛着の持てるまち・名古屋の構築のためにも、ますます多様化する行政ニーズをやりがいのある仕事として、あえてチャレンジする青年たちを受け入れる、誇りと愛着の持てる職場の醸成も同時進行しながら、職員の人材確保に向けた取り組みが市民サービスの第一歩であるとして、しっかり取り組んでいただけるよう要望しておきます。
次に、公共工事の品質確保のための総合評価方式の導入時期につきましては、本年12月の目途でこの方式による入札を試行したいとの答弁をいただきました。公共工事の品質確保に関しましては、これまでさまざまな角度から議論がなされておりまして、私は昨年、総合評価方式の導入について、早期の検討導入というものを訴えさせていただきました。一歩前進の対応に大いに期待しておりますので、市民利益の確保のためにも、試行に向けて、遺漏なきようしっかりと検討していただきますよう要望いたします。
最後に、次世代を担う名古屋のすべての子供たちを安心して、健全に育成していくための今後のあり方についてですが、両事業が立ち上がった当時に比べますと、現在までにさまざまな社会状況の変化がありまして、子供たちの育成環境にも多くの変化をもたらしているのが事実だというふうに思います。次世代の名古屋を担いゆく子供たちをしっかりと守ってはぐくんでいく、この目線で、この両事業のよりよいあり方を十分に検討していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)