平成16年6月 定例会(6月21日)

地域防犯活動への支援策について

安心・快適な公共交通を目指しての取り組みについて

 ア 地下鉄へのメロディーサイン導入  イ 地下鉄・バスサポーター制度導入

市営住宅の入居対策について

ユニバーサルデザインの視点に立ったバリアフリー施設の情報提供について


◆(こんばのぶお君) お許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問いたします。
 「協働なごや」で元気発信。名古屋新世紀計画2010第2次実施計画の目標重点テーマとして、来年開催される「愛・地球博」をステップに、協働が支える元気な名古屋を実現しようとの松原市長さんの言葉が広報なごやにも紹介されたところであります。この視点から質問させていただきます。
 初めに、地域防犯活動への支援策についてであります。
 主な計画事業として、安心・安全で快適なまちづくりの推進とあります。平成15年度の市内犯罪発生件数は9万3000件と、10年前の約2倍に激増しています。頻発するひったくりなどの路上犯罪や空き巣強盗などに対し、犯罪をまちぐるみで未然防止しようと、学区単位での地域防犯パトロール隊、愛犬パトロール隊の結成など、市民による防犯活動が活発化しております。こうした市民レベルでのボランティア活動に対して、本市ではボランティア保険の創設、安心・安全まちづくり活動補助金の創設によりサポートすることとなっています。実際の活動を市民にお願いするばかりでなく、本市みずからも行動を起こしていくべきと考えます。
 例えば、各局所有の車が業務で市内を移動する際に、車両の両側あるいは前後に、防犯パトロール中のステッカー表示を行ってはどうでしょうか。本市では現在、現場作業などの特殊車両を除いて、各局合わせて約950台の市所有の車両があります。この車両のほとんどが毎日名古屋市じゅうを移動しているわけです。先日、警察署長さんにその効果を尋ねてみたところ、犯罪はパトカーが巡回警らしているときは発生せず、通り過ぎた後、犯罪発生することから、大きな抑止力が期待できるとおっしゃっていました。防犯パトロール中と表示された本市所有車両が犯罪抑止に貢献できるのであれば、市民と一体となった防犯への大きな力となり、市民からも歓迎されるものと考えますが、いかがでしょうか、市民経済局長にお尋ねいたします。
 次に、安心・快適な公共交通を目指しての取り組みについてお尋ねいたします。
 市営交通事業中期経営健全化計画を踏まえ、いかにより多くの利用客確保ができるのか、職員の皆さんも一丸となって取り組んでおられるところです。交通網の整備による利便性の向上は言うまでもありませんが、その根底にお客様をおもてなしする、より快適に利用していただこうという心こそ経営健全化への近道であると考えます。今こそお客様第一主義に徹する姿勢をどのように形にすることができるか、真剣に考えなければなりません。
 一つの方法として、地下鉄へのメロディーサインの導入があります。メロディーサインとは、列車が到着する際などの予告アナウンスのときに流れる短い音楽のことで、待ち時間のいらいら解消や、ブザーやチャイムにはない優しさを演出してくれます。現在、京都、大阪、神戸、福岡の市営地下鉄や東京メトロ、大江戸線にもメロディーサインが採用され、私鉄ではJR東日本だけでも約260種類のメロディーサインが採用されるなど、お客様の満足度向上に向け、今や全国的に取り組みが拡大している状況です。「愛・地球博」をきっかけとして、今こそ地下鉄へのメロディーサインを導入すべきではないでしょうか。
 あわせて、地下鉄・バスサポーター制度導入についてお尋ねします。このサポーター制度とは、希望される市民の方にあらかじめ介助の方法などを受講していただき、サポーターとして登録してもらう制度で、地下鉄やバス利用の際に、たまたま居合わせた障害者や高齢者、妊産婦さんなどが手助けを必要としている場合に率先して手助けを行うボランティア制度です。名古屋新世紀計画2010第2次実施計画の目標の細目に、人と環境に優しい交通体系を目指すとあり、申し上げた2点の導入提案はこの理念にもかなうものと考えますが、いかがでしょうか、交通局長の答弁を求めます。
 次に、市営住宅の入居対策についてお尋ねいたします。
 現在、本市の市営住宅募集は、大別、定期募集と常時募集があり、現在経済状況の変化などさまざまな理由により入居希望者が増加しています。抽せん倍率が100倍を超える住宅もあり、定期募集での入居が困難なことから、常時募集の空き家待機への申し込みが急増しております。しかし、待機期間が最短のところで半年間、最長で2年間、平均して約1年間の待機期間というのが現状です。市営住宅の募集条件は、現在住宅に困窮していることとされており、条件に該当する方が待機していることを考えたとき、待機期間を短縮することは喫緊の課題ではないでしょうか。火災や事故などで1年間空き家状態になっている部屋が市営住宅全体で約100戸あり、これらの保留期間短縮はできないのでしょうか。また、通常の空き家発生から入居までの工事や事務手続のさらなる期間短縮を図るべきであります。これらを含め、空き家の早期解消を進め、待機期間短縮の一層の推進を図り、早急に市民ニーズにこたえるべきと考えますが、この点につきまして住宅都市局長の答弁を求めます。
 次に、ユニバーサルデザインの視点に立ったバリアフリー施設の情報提供についてお尋ねします。
 先日、松原市長さんがトリノ市を訪問した際、ハード面の支援だけでなく、ソフト面での支援が大切であることを実感され、名古屋市も優しく思いやりのあるまちづくりをしていきたいと語っておられました。私も全く同感であります。本市はユニバーサルデザインに基づくまちづくりを推進しており、新しい施設や交通の結節点などにもそうした施策を反映しようと取り組んでおります。しかしながら、実際には本市を訪れる体の不自由な方や高齢者の方々が安心してわかるユニバーサルデザインの視点に立った観光案内マップや、バリアフリーのトイレや施設の案内等が全くありません。来年の「愛・地球博」では、国内外から多くのお客様を母都市である本市がお迎えするわけです。観光案内マップへの表示並びに地下鉄駅構内や交通局発行のパンフレットへの情報展開につきまして、どのような対応をされるのか、市民経済局長と交通局長の答弁を求めます。
 以上で、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)

◎市民経済局長(杉浦雅樹君) 地域防犯活動への支援策についてお尋ねをいただきました。
 議員御指摘のように、市内での平成15年中の犯罪発生件数は9万3123件でございまして、10年前と比較しますと約2倍に激増しているわけでございます。こうした中、住民が自主的にパトロールなどを実施している学区もふえておりまして、その数、昨年度調査をいたしましたところ、261学区中161学区でございました。本市では、現在作業を進めております安心・安全で快適なまちづくり条例では、犯罪の防止に向けた施策を推進できるように工夫をしてまいりたいというふうに考えておりまして、議員御指摘の防犯パトロール中のステッカーを張っての公用車の走行につきましては、防犯対策の一つとして有効であるというふうに考えておりまして、関係局とも調整をしながら、前向きに検討していきたいというふうに考えております。よろしくお願い申し上げます。
 次に、観光案内マップでのバリアフリー施設の情報提供についてもお尋ねをいただきました。
 本市では、万博に向けまして愛・地球博なごやウェルカムボランティアの募集をしまして、名古屋を訪問された方々を温かくお迎えする準備を進めているところでございます。中でも、御提案をいただきました体の御不自由な方や高齢者の方々へのバリアフリー対応施設の情報提供は、おもてなしの観点でも大変重要なことだと認識しておりまして、これらのボランティアの方々に研修を実施いたしまして、親切に御案内できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、御提案のありました観光案内マップにつきましても、交通事業者等と協議をしながら、名古屋駅など市内の主要交通拠点における車いすなどのバリアフリー対応施設の配置状況を表示することにつきまして検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎交通局長(吉井信雄君) 交通局関係で数点のお尋ねをいただきました。まず、安心・快適な公共交通を目指してということで、2点のお尋ねにお答えをいたしたいと存じます。
 初めに、地下鉄へのメロディーサインの導入についてでございます。地下鉄駅では、列車到着の際には基本的にピンポンというチャイム及び音声によりまして、お客様に進入列車に対する注意喚起及び行き先案内を、また列車出発の際にはブザー音によりまして列車への注意喚起及び出発の予告を行っておりまして、お客様の間には既に定着をしているところでございます。議員御提案のチャイム、ブザー音のメロディー化につきましては、駅構内の雰囲気を和らげる効果も期待できまして、他都市において議員御指摘のように採用している例もございます。また、現在、当局の市バスの一部におきまして、アイドリング・ストップ時に音楽を流しているところでございますが、これにつきましては賛否両論の御意見をいただいているところでございます。今後、そういった点を踏まえまして、お客様からの御意見、御要望、他都市や他の鉄道事業者の導入状況及び地下鉄事業の収支状況等を総合的に勘案しまして研究をしてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解いただきますようお願いをいたします。
 次に、地下鉄・バスサポーター制度の導入についてお答えをいたしたいと存じます。議員から御提案いただきましたサポーター制度につきましては、エレベーター、ノンステップバスなどのバリアフリー施設の整備とともに、高齢者や障害者の方がより快適で安心して市バス、地下鉄を御利用いただくためのソフト面の支援方策の一つと考えられると思います。市バス、地下鉄の利用促進や、御利用いただく方々のボランティア意識の向上にもつながるものと認識をしておるところでございます。また、交通局にとりましても、市民及び利用者の方々とのパートナーシップをはぐくむことができますとともに、市バス、地下鉄のイメージアップにも結びつくものと考えております。サポーター制度の導入に当たりましては、ボランティアとしての活動をしていただく駅、バスターミナルの選定、活動の内容、活動状況の把握及び利用者の方々へのPR方法などさまざまな問題点がございますことから、今後他都市における導入の成果や問題点の検証を踏まえまして総合的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、地下鉄駅構内及び交通局発行のパンフレットへの情報展開について、2点のお尋ねをいただきました。
 初めに、地下鉄駅構内におけるバリアフリー施設の案内表示についてでございます。交通局施設の案内表示につきましては、平成14年度に交通局旅客サインマニュアルによりまして統一的な基準を定め、わかりやすい案内表示の掲出に努めているところでございまして、御指摘の地下鉄駅構内のバリアフリー施設の案内表示につきましても、エレベーター、車いす使用者対応トイレ等のバリアフリー施設の位置案内を行うとともに、当該施設までの誘導案内を行うこととしているところでございます。平成15年3月開業の上飯田線以降の新設駅からこのサインマニュアルに従って整備をしてきているところでございます。ただ、既設の駅につきましては対応をできていない箇所もございますので、駅改修等の機会をとらえまして順次整備してまいりたいと考えております。今後ともバリアフリー施設へ誘導する案内表示の充実も含めまして、お客様に対しよりわかりやすい案内表示になるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 2点目といたしまして、交通局発行のパンフレットへのバリアフリー施設の記載についてお答えをさせていただきます。交通局では、お客様に安全・快適に御利用いただけるよう、市バスの車両、地下鉄駅構内のバリアフリー施設につきまして、地下鉄駅等で配布する交通局ニュースや交通局のホームページ等で御案内をし、情報提供に努めているところでございます。一方、乗客誘致の観点から作成配布をしております一日乗車券を利用した場合の入場料等の割引を受けることができる施設を御案内するパンフレットがございますが、そのパンフレットにはバリアフリー施設の記載がなく、お客様に施設利用を促すためのパンフレットとしては私どもとしても十分ではないと認識をしておるところでございます。
 御案内のとおり、本年10月6日には地下鉄4号線名古屋大学-新瑞橋間が開通をします。地下鉄としては全国で初めての環状運転を行うわけでございますが、この機会をとらえまして、交通局といたしましても乗客誘致に向けた積極的なPRを予定しております。その方策の一つとして、一日乗車券での入場料等割引施設の御案内パンフレットを新たに作成してまいりますので、バリアフリー施設の御案内もそこであわせて表示してまいりたいと考えております。また、交通局が作成しておりますその他のパンフレットにつきましても、御指摘の趣旨を十分踏まえ、実現可能なものから順次バリアフリー施設の表示をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎住宅都市局長(一見昌幸君) 市営住宅の空き家期間の短縮化についてお尋ねをいただきました。
 本市では、市営住宅の一般募集を年4回行っておりますが、住宅申込者の方々の御希望を最大限反映できますよう、部屋別の募集を行っているところでございます。このため、実際に空き家が発生した後に募集住宅を確定し、募集、抽せん、入居資格審査、契約を経まして入居という手続の流れとなっております。この入居までの手続につきまして、市営住宅の性格上、収入や家族構成など入居に必要な資格審査を厳正に行うため、個別面接方式を取り入れていることに加えまして、最近では募集戸数約400戸--これは1回につきでございますが--に対しまして申込者数が約8,000人と増加している状況もございます。そのような状況のもとに、現時点では空き家発生から入居までおおむね5カ月の期間を要しているところでございます。また、御指摘の常時募集についてでございます。10カ所の大規模団地につきましては、あらかじめ入居待機者を決めまして、空き家が発生します都度、順次あっせんを行っていく空家待機者募集を実施しているところでございます。空き家の発生から約40日で入居いただいているところでございます。
 そのような中、空き家募集から入居までの期間をできる限り短くすることは、住宅管理者としましても重要な責務であると認識しております。募集におきます空き家発生から入居までの期間につきましては、本市が募集事務を委託しております住宅供給公社が最大限努力をしているところでございますが、迅速な入居につきまして市民の方々からさまざまな御要望をいただいております。これらの御要望を踏まえまして、募集事務の執行に当たりましては、なお一層の効率化に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
 以上でございます。

◆(こんばのぶお君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 今回私が質問させていただいた内容、テーマというのが優しさということでございます。新しい時代になりまして、この名古屋市という行政体がより市民に対してのそういう心を持ったサービスがきちっとできるかどうか、こういったことがやはり求められているというふうに思いますので、今後の施策の中にその心がきちっと入った施策展開を希望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)